変幻自在のイオン

地球上には、熱、電磁波、放射線などのさまざまなエネルギーが飛び交っています。これらのエネルギーは、中性の原子から電子を奪い取っていくことが多いため、結果として、大気中には、中性の粒子の他、「プラスイオン」と「マイナスイオン」が多数存在することになります。

イオン(ion)という言葉は、ギリシャ語の「さまよう、さすらう」に由来すると言われていますが、文字通り、イオンは空気中をさまよって、ある粒子から離れたり、他の粒子にくっついたりしているものなのです。ですから、空気中に漂う粒子は、電気的には、突然プラスとマイナスが入れ替わったりする、不確かな存在だと言えます。「しかし、いったんプラスとマイナスが入れ替わった粒子が、いつまでもそのままでいようとするわけではありません。そのままでは不安定ですから、中性を保とうとして合体する相手を探します。相手を探し当てて合体を完遂した状態は「平衡状態」と呼ばれます。

平衡状態になった粒子は、厳密には完全な中性であるよりも、マイナスイオンの数の方が少し多くなっていることが多くあります。そして、不思議なことに、マイナスイオンが少し多い平衡状態の大気の状態は、人間をはじめとする全ての生物にとってもっとも快適さを感じる、理想的な状態となるのです。

滝の近くや、森林で疲労感を解消することができるのは、その地域にマイナスイオンが多いからです。

ところで、空気中には酸素分子や窒素分子が、約二〇%ずつ存在しています。これらの分子は大変安定した構造をしています。そのため、よほどのエネルギーが加わらない限りイオン化することはありません。では、もっともイオン化しやすい分かといえば、それは、水の分子なのです。環境にマイナスイオンが多い、とされる状態は、マイナスイオン化した水の小さなクラスター(かたまり)が豊富にある状態のことを指しているのです。マイナスイオンに帯電した水分子が多く含まれた空気は、生物に快適さや心地よさを感じさせます。

プラスイオンが「疲労イオン」と呼ばれるのに対して、マイナスイオンが「快適イオン」「元気イオン」と呼ばれるのは、こんなところに由来があったのです。

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